韓国の放送界を代表する地上波放送局の3社、KBS、MBC、SBS。

各々の放送局が、大体3種類の年末行事を行っています。

「芸能」「演技」「歌謡」行事です。

しかし、「歌謡」に関する行事だけは、名前がややこしくなっています。

「芸能」や「演技」の場合、キッチリ授賞式をやりますので、「大賞」の名前が付きます。

しかし、「歌謡」の場合、「歌謡大賞」ではなく、3社が違う名前を使っていて、日本語に翻訳するとさらに混乱してしまいます。

KBSは「歌謡大祝祭」、MBCは「歌謡大祭典」、SBSは「歌謡デジョン」といいます。

例えば、2015年防弾少年団のRAP MONSTERがリハーサルの途中に怪我した事件は、KBS「歌謡大祝祭」でのことでした。

覚えにくいですよね。これには訳があります。

昔、アーティストの所属会社たちが熾烈な競争を繰り広げ、所属アーティストの受賞に力を入れ過ぎ、色々副作用が発生しました。

有名なチョ・ヨンピルさんなどが受賞を拒否する沙汰も起きました。

その後、各放送局は「授賞」より「お祭り」を強調することになりました。

当然、名前も変更されました。

KBSやMBCは名前を「大祝祭」と「大祭典」に変更しましたが、SBSの場合は前の名前「歌謡デジョン」を変更していません。

ここで韓国語の講座。

日韓が共に使う漢字から由来した言葉、「歌謡」=「カヨ」はとっても分かりやすいです。

疑問は「歌謡デジョン」の「デジョン」ですね。

韓国では漢字を書くことはあまりなく、「デジョン」だけでは「大戦」なのか、「対戦」なのか、「大典」なのか、「大展」なのか、分からないです。

昔は韓国語の「デジョン」を「大戦」や「対戦」と解釈することもあり得ました。激しい競争はまさに「大戦」や「対戦」そのものでしたから。

しかし、今やアーティストたちの「お祭り」になっているので、「戦」と解釈すると大騒ぎになるのでしょう。

残りは、「大典」か「大展」ですが。。

「大典」なら「重大な儀式」になりますし、
「大展」なら「展示会」や「展覧会」になります。

両方とも「お祭り」のイメージにはなりませんね。

元々この「デジョン」の名前を付けたSBSの元関係者がハッキリと言わない限り、漢字表記の論争は続きそうです。

韓国の日本語ツイッターは「大典」、韓国ニュース専門の日本のW社では、わざわざ「大祭典」と意訳しています。

SBSの歌謡番組を中継して日本で放送しているL社など日本の放送局も「大祭典」と表記しています。

いかがですか、すっきりしましたか?

自分としては、やはり、直訳風の「歌謡大典」が分かりやすいような気がしますが。。。

しかし、名前なんて関係ないかも知れません。多少は放送事故が起こっても問題ありません。普段は見えていなかったアーティストたちの才能が「再発見」出来る場なら、「大典」でも「大祭典」でも、そんなもの関係ないです。