劇場版最新作『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き(くら)夕闇のスケルツォ』の公開を記念してヒロイン勢ぞろいの舞台挨拶が実施された。舞台挨拶には声優の戸松遥、水瀬いのり、井澤詩織が登壇。新宿バルト9に新設されたDolby Cinemaで初の舞台挨拶となった。

『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』の大ヒットを記念して行われた、Dolby Cinemaヒロイン舞台挨拶。登壇したのはアスナ役・戸松遥、ミト役・水瀬いのり、アルゴ役・井澤詩織らのキャスト陣と、MCを務める松澤千晶で、登壇時にはアスナとミトのキャラクターソング「RECROSSING WAYS」が流れており、水瀬がいち早くそれに気づく。

そんな水瀬は、舞台挨拶の前々日となる12月2日に27歳の誕生日を迎えたばかり。戸松・井澤に加え、客席も大きな拍手で誕生日を祝福する中、水瀬は「健康第一で、笑いがいっぱいある年にしたい」と一年の抱負を語る。

さらに、戸松から水瀬へ誕生日プレゼントも手渡されたが、中身はなんと「ミト」にちなんでの「水戸納豆」。細長い形状から、最初はシャンパン的な何かに見えたそうだが、「納豆大好きなので、ご飯にかけて食べます!」と水瀬さんは元気いっぱいに宣言していた。

また、今回の上映期間中は、来場者特典としてインタビューなどが掲載された「アルゴの裏攻略本」が配布されていたのだが、そこには「大丈夫!アルゴの攻略本だよ!」というゲームファンには馴染みのある文面が。違った意味で大丈夫なのか、キャスト陣が心配するという一幕も見られた。

その後には、本作の興行収入が10億円を突破したことが発表。初日に行われた舞台挨拶では、大ヒットを祈願したダルマの目の片方を戸松が入れていたのだが、映画のヒットの報告を聞いた井澤が「もう片方はいつ埋まるの?」と疑問を口にする。戸松は「夢が叶ったら入れていいそうなんですけど、まだ話は来てないです」と明かし、まだまだ大きなヒットにしていくという制作側の意図があるのではないかという結論で落ち着く形に。

またバルト9のドルビーシネマは12月1日に完成したばかりで、今回が初めての舞台挨拶となることにも言及。とくに舞台挨拶の立ち位置には、ほぼ誰も足を踏み入れていないと思われるため、その場で足踏みをして物理的な足跡を残そうとするなど、キャスト陣も大はしゃぎ。その中で井澤は「ドルビーじゃない状態で見た人達は、音を聴き比べて見て欲しいです」と、ドルビーシネマならではの豪華な音響を、今回の注目のポイントとして挙げていた。

映画の見どころについて話題が移ると、「何がどうとかは(ネタバレになるので)言えないんですけど、《SAO》ならではのハラハラドキドキ感が満載で、最後まで緊張の糸を切らさずに見て欲しい」と戸松。

水瀬は、「自分が演じているのもありますが、ミトとアスナの関係性がどのようなルートを辿るのか、ハラハラドキドキしていただきたいです」と、二人の関係性に言及。さらに前作「星なき夜のアリア」から一新されたミトのコスチュームも、注目のポイントとして挙げられた。

井澤が演じるアルゴは、既に原作やゲームでは大活躍しているキャラクターだが、アニメでの本格的な活躍は本映画が初めて。井澤は「初見の人に『あいつ誰?』って思われていないかな」という不安があったことを告白しつつ、「今回からしっかりと活躍するので、アルゴがどんなキャラクターなのか知って欲しい」と、ファンへのメッセージも送る。

前作ではほぼアスナとしか会話していなかったミトが、本作ではキリトとの会話シーンがあることも判明。水瀬は「演じている時、何か違和感のようなものを感じていたのですが、この違和感はきっと正しいんだと思いながら演じていました」と収録当時の心境を語りつつ、「キリトを演じている時の松岡さんとやりとりをするのは初めてなので、こういう距離感でいいのか探り探りでした。けど、(松岡さんは)10年間キリトを演じられていて、どんな球を投げても大丈夫だと信頼できたので、楽しくアフレコができました」と振り返る。

松岡、戸松、水瀬、井澤の4人で一緒に収録できたというアフレコに関しては、「休憩時間になると、いつの間にか松岡さんがいなくなっている」というエピソードも明かされる。それを耳にしたMCの松澤から「(松岡さんは)ソロプレイヤーですから」という、キリトにちなんだフォローが飛び出すと、客席から大きな笑いと拍手が沸き起こっていた。

一方、「3人の中で仲良くなりたいキャラクターは誰か?」という質問を向けられると、戸松はミト、水瀬はアルゴ、井澤はアスナと三者三様の名前が挙がる。中でもアルゴについては3人全員が「仲良くなれそう」とも語っており、あのキリトとも信頼関係を築けているアルゴの絶妙な距離感の上手さに、全員が感心していた様子だ。

また、2022年はTVアニメ「ソードアート・オンライン」の放送がスタートしてからちょうど10年という節目の年。

戸松は「あの頃は皆若かった」としみじみと振り返りつつ、当時の松岡との関係について「今の100倍くらい壁があって、最初の一年くらいは目を合わせてくれなかった。そこからちょっとずつ心を開いてくれている実感はあるので、この10年を一緒に歩めているのは嬉しい」と、二人の関係性が変化している喜びも明かす。

一方、「まだ高校生で、財布にアニメイトでいろんなグッズを買っていた」と、一アニメファンだった当時の思い出を語る水瀬。お馴染みとなりつつあるアクリルスタンドなど、10年前と現在ではグッズのラインナップも様変わりしてきたという、完全なアニメファン同士のトークに発展して盛り上がる中、戸松は同じ時期に自身の抱きまくらをグッズとして発売していたことを明かし、二人を驚かせる一幕も。

すでに声優としてデビューしていた井澤も、10年前の『SAO』第1話の収録にキャストとして参加していた。来場者の中にも、TVアニメの第1話をリアルタイム視聴していたという熱心なファンの姿もあり、《SAO》がファンと一緒に歴史を積み上げてきた作品であることを、キャスト陣も改めて感じ取っていた様子だった。

最後には、キャスト陣からファンに向けたメッセージが送られ、舞台挨拶は締めくくられた。