スマホの普及とともに全国的に問題になっている「歩きスマホ」。スマホ画面を見ながら歩くことで衝突や転倒などの事故が相次いでいることから、各自治体や携帯会社が注意を呼び掛けています。
その注意の中でもユニークなものが、株式会社NTTドコモがYouTubeのNTTドコモ公式チャンネルで公開している啓蒙動画「歩きスマホ参勤交代/Samurai Smartphone Parade」です。

■江戸時代に「歩きスマホ」をすればどうなる?
この動画は、江戸時代の参勤交代で、江戸と領地を行き来しなければならない大名や武士たちが、その道中歩きスマホをしているという設定で作られたものです。
歩きスマホに夢中な武士たちは当然、多くが転倒したり人にぶつかったりします。そして最後にはかごに乗って運ばれていた、やはりスマホに夢中だった大名が気づくと……。というふうに、「歩きスマホ」の危険性を面白く表現しています。
さて、道を行き来する人たちがほとんど徒歩であった江戸時代でさえ、前方不注意で歩けばこれだけ転倒や衝突の危険性があるという話ですが、江戸時代どころではない人口密度で、自動車や自転車が走る現代での歩きスマホの危険性は江戸時代の比ではありません。


■もはや曲芸、「自転車スマホ」
自動車を運転しながらのスマホ操作が危険なのは言うまでもありませんが、道路で目立つのは、自転車を運転しながらスマホを扱っている姿です。
2015年6月から道路交通法が厳しくなり、「傘差し運転」「飲酒運転」「イヤホン運転」と同様に、「スマホ運転」も違反をすると罰金5万円以下がかかるようになり、2回違反になると有料の安全講習を受けることが義務付けられました。
罰則を厳しくしないといけないほど、スマホを使用しながら自転車を運転する、言うならば「自転車スマホ」をしている人が多いということです。
自転車スマホで走行している人は、スマホを扱っていてもちゃんと前も見ているから大丈夫と思っているかもしれませんが、自転車スマホをしている姿は、運転をしている本人は平気でも進行方向にいる歩行者には強い恐怖感を与えるものです。さらにはイヤホンで音楽を聴きながらスマホを見ながら運転をしている人もいます。さらに恐ろしいことには、雨が降ればそれらに加えて傘も持つと、もはや曲芸のような運転をしている人さえいる現状です。
自転車は自動車に比べれば安全と思われているかもしれません。しかし自転車による運転者や衝突された人の死傷事故は後を絶ちません。「自転車スマホ」で自分や人の一生を台無しにしないように気を引き締めなければなりません。


海外メディアには日本人の「歩きスマホ」姿を評して「スマホゾンビ」と呼ばれたりもしています。ちょっとひどい表現だなと思うかもしれませんが、うつむいてフラフラ歩いているところを見ると、そう言われてもしかたがないかもしれません。まして、歩きながらスマホで会話をして、転んでもまだそのまま会話を続けている様子を見ると、むしろ「スマホゾンビ」でぴったりかなとも思います。歩き方にはその人の人格や国民性が出るとも言われます。相変わらず不況の日本ですが、せめて歩く時くらいシャキシャキと前を見て歩きたいものですね。


【参考】歩きスマホ参勤交代 / Samurai Smartphone Parade
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000016601.html


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