人がしている悪いことを悪いと言えない事情が大人にはあります。ハッキリと物事を言える性格の人を羨ましいと思うことはあっても、自分がああはなれないと思っている人も多いのではないでしょうか。ここでは、なぜ人の悪いところを悪いと言えないのか、その原因に迫っていきます。

シチュエーションを思い浮かべやすくするために、職場で怠惰な同僚がいるという設定にしましょう。誰が見ても100%サボっており、それが悪いことであるのは間違いないとします。であれば、注意をしても良いはずですがそれができないのは自分に非ができた時に怖いからです。




今は自分は仕事をサボっていないから注意できても、今後ずっと絶対に仕事に対して怠惰にならないという自信がないのです。だから注意した後に、その人から「あなただってサボっている」とカウンターをくらわないよう穏便に済ませたい、注意はしたくないと思ってしまう節があります。つまり、悪いことを悪いとハッキリ言えるのは、自分が悪いことをしない自信がある人ということになります。

また、自分のもやもやとした気持ちを晴らすよりも、人間関係を重んじる場合にも注意はできません。和を大切にする日本に多いことで、自分の立場を守りたいという保身から注意しない場合もあります。あえて嫌われ者になるよりは、誰かが悪いことだと指摘してくれることを待っているのです。




悪いことを悪いと言った方が良いかどうかはまた別問題です。後で面倒を起こしたくないから、相手からいちゃもんを付けられるかもしれないからとその場をやり過ごした方が得と考える人もいます。

一方で、悪い人が得をするような社会にはしたくないし、自分のもやもやとした気持ちも晴らしたいから注意した方が得だという人もいます。その人の態度がその後改まれば、自分がイライラしないから自分のためにもなるという考えです。人に注意をするならば、まずは自分が模範となって正しく生きることが先決ですね。

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